イメージ

ワクチンと病気について

ワクチン情報

日本脳炎ワクチン

  • 2023.05.07
  • 定期接種
  • 任意接種
  • 不活化ワクチン
  • 小児
  • 渡航者

日本脳炎ワクチンについて  

商品名:エンセバック®、ジェービック®

予防できる病気

日本脳炎

ワクチンの種類

不活化ワクチン

定期/任意

定期接種

 1期:生後6か月以上から90か月未満

 2期:9歳以上13歳未満

 *特例対象者あり(下述)

任意接種(上記以外)

接種回数

4回(1期3回、2期1回)

接種量

3歳未満:0.25ml

3歳以上:0.5ml

接種間隔

1期:①②は6-28日あける ②③は1年(最低6か月以上)あける

2期:1回(9歳以上13歳未満)

(①:1回目、②:2回目、③:3回目)

費用

定期接種:無料

任意接種:1回5,000-8,000円程度(施設によって異なる)

*特例対象者について1)
(1)1995年4月2日-2007年4月1日の間に生まれた方

 2005年5月30日-2009年度にかけて実施された日本脳炎ワクチン積極的勧奨の差し控え(ワクチンの副反応※参照)により、接種を受ける機会を逸している可能性があるため、20歳未満であれば不足回数分を定期接種として受けることができます。

(2)2007年4月2日-2009年10月1日の間に生まれた方

 生後6か月-90か月未満、9-13歳未満の間に、第1期の不足分を定期接種として受けることができます。

 

ワクチンの効果
 日本脳炎ワクチン接種により、日本脳炎にかかるリスクを75-95%程度減らすことができると言われています。発症すると重症化するリスクが高いため、予防接種での予防が重要です。

 

どんな人にお勧め?
 日本脳炎ウイルス保有のブタが多く確認されている西日本では特に接種が推奨されます。世界的にみると日本は感染リスクが高い国であり、西日本以外に在住している場合でも接種が推奨されます2)

 2016年にはそれまで定期接種として実施されていなかった北海道でも定期接種が開始されました。

 これまでは3歳からの定期接種開始が推奨されていましたが、2016年以降、日本脳炎流行地域3)に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎患者が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域4)に居住する小児に対しては、希望すれば生後6か月からの接種が推奨されています5)

 

接種スケジュール作成のポイント
 生後6か月から接種が可能ですが、地域によっては3歳が標準接種開始となっています。自治体の推奨時期に関わらず、生後6か月から定期接種が可能なため流行地では早期の接種開始が推奨されます。

 

ワクチンの副反応
 ワクチン接種による一般的な副反応以外に、日本脳炎ワクチンに特異的な副反応報告はありません。

 以前使用されていた日本脳炎ワクチンはマウスの脳を原材料として使用されており、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の発生が危惧されたため、積極的推奨の差し控えが実施されました。

 

ワクチンの禁忌
 日本脳炎ワクチンによる強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがある場合以外に禁忌はありません。



参考文献・サイト

1)日本脳炎ワクチン接種に関するQ&A (平成 28 年 3 月改訂版). 厚生労働省. (Q11 参照)

2)日本脳炎. 厚労省検疫所 FORTH.


3)世界の日本脳炎流行地域.(英語)米国疾病管理予防センター(CDC).


4)ブタの日本脳炎ウイルス感染状況 2021. 国立感染症研究所. 


5)日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨について. 日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会.