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ワクチンと病気について

ワクチン情報

成人用三種混合(Tdap)

  • 2023-05-07
  • 任意接種
  • 不活化ワクチン
  • 成人
  • 妊婦・妊娠可能な女性
  • 渡航者
  • 無脾・脾摘
  • 腎不全・透析
  • 糖尿病

Tdapについて 

商品名:Boostrix®, Adacel®

 思春期・成人に接種しても疼痛などの副反応が出にくい成人用三種混合(百日せきジフテリア破傷風混合)ワクチンです。小児に用いる三種混合ワクチンは、破傷風トキソイド成分が成人に望ましい量より少なめで、逆にジフテリアトキソイド成分が成人では疼痛などの副反応が出やすい傾向があります。これらの成分量を成人向けに調整したものがTdapです(“ティーダップ"と発音)。米国では妊娠中の接種も承認済みで、同国で問題となった新生児百日咳の予防を目的とした妊娠後期の接種が推奨されています。しかし日本では未承認のため、接種を希望する際は輸入未承認ワクチンの取り扱いのある医療機関に相談する必要があります。
 日本では小児用の成分比である三種混合ワクチン(トリビック®)が、成人も含めた治験を経て全年齢向けに承認されています(ただし妊婦での安全性はまだ証明されていません)。詳細についてはこちら(DPTワクチンについて)をご覧ください。
予防できる病気百日咳、破傷風、ジフテリア
ワクチンの種類不活化ワクチン
Boostrix®(対象年齢:10歳以上)
Adacel®(対象年齢:11-64歳)
定期/任意/輸入輸入ワクチン
接種回数1回以上(10歳以降に三種混合ワクチンの追加接種目的に使用)
接種量0.5ml
接種間隔下記参照
費用1回約1万円(施設により異なる)

ワクチンの効果

DPTまたはDPT-IPVワクチンを接種しても、百日咳の免疫効果は4-12年で低下し、感染する可能性がでてきます1)。日本では百日咳に対する定期予防接種は乳幼児期にしかないため、成人で百日咳が流行していることが問題となっています1)。百日咳含有ワクチン(Tdapまたはトリビック®)を10歳以降に追加接種すると、百日咳の抗体が再度上昇し、百日咳感染の予防につながります。

どんな人にお勧め?

すべての思春期・成人に百日咳含有ワクチンの追加接種が望ましいです。とくに乳児に接触する可能性のある子どもや成人(妊婦・その家族)、医療従事者は優先度が高いです。また、米国の留学の際は留学先から接種を推奨されることがあります。
 欧米では乳幼児期に日本でいうDPTワクチンを4回定期接種した後、4-6歳と11-18歳でTdapを2回追加し、少なくとも計6回定期接種しています2)。加えて、百日咳に感染すると重症化し命の危険がある乳児を世話することになる妊婦には、妊娠毎にTdapを接種することが米国では推奨されています3)

接種スケジュール作成のポイント

DTワクチンを接種後、5年以上経過してからの方が副反応が出にくいと言われていますが、基本的にはいつでも問題ありません。学童または成人での1回の追加接種後、数年毎に接種すべきかの推奨はまだはっきりしていませんが、10年毎にTd(破傷風・ジフテリア)ワクチンの接種が米国では推奨されており、そのうち1回は百日咳含有ワクチンにすることが強く推奨されています2)。他のワクチンとの同時接種も可能ですが、詳細はTdapの取り扱いのある医療機関でご相談ください。

ワクチンの副反応

ワクチン接種による一般的な副反応以外に、Tdapに特異的な副反応報告はありません。

ワクチンの禁忌

TdapやDTP、DPT-IPVワクチンによる強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがある場合以外に禁忌はありません。

参考文献・サイト

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