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  • 2024-04-01
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インフルエンザとは

 インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症で、日本では毎年12-3月頃に流行します(南半球では夏季に流行)。免疫が不十分な乳幼児や高齢者、その他基礎疾患のある場合は特に重症化しやすいので、手洗い、うがい、インフルエンザワクチンによる予防が何より大切です。

感染経路飛沫感染・接触感染
潜伏期1-4日
周囲に感染させうる期間発症前日から発症後3~7日間
感染力(R0)※12-3
学校保健安全法第二種感染症(登校(園)基準:発症後5日かつ解熱後2日以上経過していること(幼児では3日以上))
感染症法5類感染症(指定届出機関による定点観測)
※1 R0:基本再生産数:集団にいる全ての人間が感染症に罹る可能性をもった(感受性を有した)状態で、一人の感染者が何人に感染させうるか、感染力の強さを表します。つまり、数が多い方が感染力が強いということになります。

主な症状は

 咽頭痛、咳、鼻水などの感冒様症状に、発熱、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛や頭痛を伴い、通常の感冒に比べて症状が強いのが特徴です。なかには腹痛、下痢などの消化器症状がみられることもあります。
 1-4日の潜伏期を経て発症します。発熱は1-3日程度持続し38℃を超える事が多いですが、通常1週間程度でその他の症状も自然に軽快します。
 高齢者や基礎疾患のある人では、インフルエンザに続いて細菌感染(肺炎)を合併し入院率や死亡するリスクが増加します。小児では中耳炎や熱性けいれん、喘息などを合併するほか、脳炎・脳症を発症することがあります(小児の脳炎の原因1位はインフルエンザウイルスです)。

診断方法は

 流行期に上記のような特徴的な症状がある、またはインフルンザと診断された人との接触(シックコンタクト)がある場合などは、検査をせず診断(臨床診断)し治療を行うことが多いです。
 インフルエンザの迅速検査は鼻腔を綿棒でこすって行う検査で、数分で結果が判明します。診断が悩ましい場合、社会的な事情で診断が必要な場合、また基礎疾患があり重症化が懸念される場合などには迅速検査を行いますが、精度は100%ではありません。とくに発症から半日以内は偽陰性(本当はインフルンザなのに検査結果が陰性となってしまう)となる可能性もあります。そのため、流行期に特徴的な症状がある、インフルエンザと診断された人との接触がある場合などは、検査をせずにインフルンザと診断(臨床診断)し治療を行うことが多いです。

治療法は

 咳、鼻水、咽頭痛、発熱などそれぞれの症状を和らげる対症療法が中心となります。症状がつらくなければ風邪と同じウイルス性疾患のため治療薬なしで自然経過をみても、1週間程度で自然に軽快します。しかし、基礎疾患がある場合や乳幼児(主に2歳以下)、妊婦、高齢者などは重症化しやすい傾向にあるため、抗ウイルス薬の処方を検討します。
 抗ウイルス薬の効果は、発症2日以内に内服すると、解熱が半日程度早くなる可能性と、ウイルス排出量を減らす可能性がありますが、発症3日以上経ってから内服しても効果は望めません。
 2007年に抗ウイルス薬:オセルタミビル(タミフル®️)を服用した中学生が転落死する事例が報告されたことから、一時は「10歳代の患者には原則として使用を控えること」という警告がされていました。その後の調査の結果、抗ウイルス薬使用の有無に関わらず異常行動がみられることが分かり、2018年にこの警告は削除されました。抗ウイルス薬の処方の有無に関わらず、小児・未成年者がインフルエンザにかかった場合は、少なくとも数日間は保護者の目が行き届く環境で見守る必要があります。

 なお、小児のインフルエンザに対するアスピリン投与はライ症候群(急性脳症などの症状をきたす)を発症する可能性があるため禁忌です。

予防法は

 手洗い、うがい、咳エチケットとインフルエンザワクチンの接種が有効です。
 インフルエンザワクチンには発症予防と重症化予防の効果があります。
 乳幼児については周囲の大人が上記予防法を徹底して守ってあげる事も重要です。流行する型は毎年変わるので、インフルエンザワクチンはぜひ毎年接種しましょう。

 インフルエンザワクチンについてはこちらを参照。

参考サイト

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