ワクチンと病気について
ワクチン情報
ロタウイルスワクチン
- 2023-05-07
ロタウイルスワクチンについて
商品名:ロタリックス®内用液(経口弱毒化生ヒトロタウイルスワクチン)
ロタテック®内用液(5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン)
ロタテック®内用液(5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン)
予防できる病気 | ロタウイルス胃腸炎 |
ワクチンの種類 | 経口生ワクチン |
定期/任意 | 定期接種 |
接種回数 | ・ロタリックス®内用液:2回 ・ロタテック®内用液:3回 |
接種間隔 | ・ロタリックス®内用液 生後6週以降に初回接種(1回目)、4週間以上の間隔をおいて2回目を内服。2回目は、遅くとも生後24週までに終了。 ・ロタテック®内用液 生後6週以降に初回接種(1回目)、4週間以上の間隔をおいて2、3回目を内服。3回目は、遅くとも生後32週までに終了。 いずれのワクチンも生後14週6日までに1回目を内服することが推奨されています。 |
接種量 | ・ロタリックス®:1回1.5mL ・ロタテック®:1回2mL |
費用 | 定期接種のため無料 |
ワクチンの効果
ロタウイルスワクチンの効果は、ロタウイルス胃腸炎の重症化を予防できることです。日本では上記2種類のロタウイルスワクチンが承認されています。いずれも経口(飲む)ワクチンですが、接種回数が異なります。ワクチン接種によりロタウイルスに対する抗体ができ、ロタウイルス胃腸炎の重症化を80-90%予防することができます。また、乳児期でのワクチン投与によって、少なくとも2年間はこの効果が持続します1)。
どんな人にお勧め?
ロタウイルスにはほぼすべての乳幼児が感染し、初回感染時は重症化するリスクが高いため、ワクチンの禁忌となる状態以外のすべての赤ちゃんに接種をお勧めします。
接種スケジュール作成のポイント
生後6週以降に、できるだけ早く(生後14週6日まで)に1回目を接種(初回接種)することが勧められています。後述の腸重積を起こすリスクを少なくするため、ロタリックス®は遅くとも生後24週までに2回目の接種を、ロタテック®は遅くとも生後32週までに3回目の接種を終了するようにして下さい。
ワクチンの副反応
下痢、易刺激性(すぐに泣いてしまうなど)などの副反応が国内で報告されていますが、いずれも数日以内に回復し、重篤なものはまれです。腸管の一部が腸管の中に入り込むことで腸管の血流が悪くなり腸の組織に障害をおこす腸重積(ちょうじゅうせき)は、ロタワクチンの接種の有無に関わらず乳幼児にみられる病気(乳幼児10万人あたり100人ほど)ですが、初回接種後1-2週間くらいの間は腸重積をおこすリスクが増える(乳幼児10万人あたり6人ほど増加)ことが海外で報告されています2)。国内の調査では、ロタウイルスワクチン導入後の明らかな腸重積の増加はみられていません3)。腸重積症と思われる症状(お腹の痛みのため激しく泣く・機嫌が悪いなどの症状が周期的にみられる、お腹がはる、ぐったりする、顔色が悪い、血便がみられる、嘔吐を繰り返すなど)があらわれた場合は、速やかに医師の診察を受けてください。
なお、ワクチン接種後1週間程度はワクチンウイルスが便中に排泄されます。これにより周りの人が胃腸炎を発症する可能性は低いですが、念のためにおむつ交換など便を扱う時には手洗いをして注意しましょう。
なお、ワクチン接種後1週間程度はワクチンウイルスが便中に排泄されます。これにより周りの人が胃腸炎を発症する可能性は低いですが、念のためにおむつ交換など便を扱う時には手洗いをして注意しましょう。
ワクチンの禁忌
1. 明らかに発熱しているひと
2. 重篤な急性疾患にかかっているひと
3. 過去にこのワクチンに含まれている成分で過敏症をおこしことがあるひと
4. 過去に腸重積症があったひと
5. 未治療の先天性消化管障害(メッケル憩室など)があるひと
6. 重症複合型免疫不全(SCID)のあるひと
7. その他予防接種を行うことが不適当な状態にあるひと
下痢または嘔吐の症状がある場合には接種を延期してください。
2. 重篤な急性疾患にかかっているひと
3. 過去にこのワクチンに含まれている成分で過敏症をおこしことがあるひと
4. 過去に腸重積症があったひと
5. 未治療の先天性消化管障害(メッケル憩室など)があるひと
6. 重症複合型免疫不全(SCID)のあるひと
7. その他予防接種を行うことが不適当な状態にあるひと
下痢または嘔吐の症状がある場合には接種を延期してください。
参考文献・サイト
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