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ワクチンと病気について

ワクチン情報

インフルエンザワクチン

  • 2024-10-10
  • 定期接種
  • 任意接種
  • 生ワクチン
  • 不活化ワクチン
  • 小児
  • 高齢者
  • 妊婦・妊娠可能な女性
  • 渡航者
  • 医療従事者
  • 無脾・脾摘
  • 腎不全・透析
  • 糖尿病
  • MSM

インフルエンザワクチンについて

商品名:インフルエンザHAワクチン®(KMB、ビケン、生研、第一三共、フルービック など)
フルミスト®(第一三共)
予防できる病気インフルンザ
ワクチンの種類
不活化ワクチン
経鼻生ワクチン
定期/任意
定期接種(65歳以上および60-64歳で基礎疾患のある方)
     ※助成額は地域によります
任意接種(生後6ヶ月未満の乳児と上記を除く全ての方)
フルミスト®点鼻液:2歳以上19歳未満の者が対象
接種回数
不活化ワクチン:1回または2回(年齢による:表1参照)
フルミスト®点鼻液:1回
接種量
不活化ワクチン:0.25-0.5ml(年齢による:表1参照)
フルミスト®点鼻液:0.2mlを1回(各鼻腔内に0.1mlを1噴霧)
接種間隔2回接種の場合は2-4週間以上あけて
費用
不活化ワクチン:1回約3,000-5,000円(施設により異なる)
フルミスト®点鼻液:1回8,000-10,000円(施設により異なる))

ワクチンの効果

インフルエンザワクチンに期待される効果は発症予防効果と重症化予防効果です。
 一方、重症化予防効果については、入院等の重症化予防効果を検証した質の高い介入研究はなくはっきりしたことが言えません。しかし、集団免疫により超過死亡が減少する事は認められており、インフルエンザ合併症をおこすリスクの高い人々にとって重要なワクチンと言えます。

インフルエンザ合併症をおこしやすい方として、乳幼児・高齢者・基礎疾患を持つ患者さんですが、こうした方々だけでなく、その周りを取り囲む小児・青年・成人たちもワクチン接種を含めた予防措置を行いインフルエンザを防ぐ壁となることが、彼らを守ることにつながります。

なお、インフルエンザワクチンは毎年の流行株を予想してワクチン(不活化ワクチン:A型2種類・B型2種類の4価、フルミスト®点鼻液:2024-2025シーズンはA型2種類・B型1種類の3価)を製造するため、効果は年度によって変動します。その為に毎年ワクチンを接種する必要があります。

どんな人にお勧め?

生後6か月以上のすべてのひとに接種することをお勧めします。
また、上記の重症化リスクのある人たちをはじめとして下記の人たちは接種の優先度が高い人としてCDC(米国疾病予防管理センター)では推奨しています。
 ー生後6か月-5歳未満の乳幼児、50歳以上の成人
 ー基礎疾患のある人(慢性呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、神経疾患、血液・代謝性疾患※喘息・糖尿病を含む)、免疫不全のある人(HIV感染者を含む)
 -インフルエンザ流行期に妊娠中または妊娠予定の人
 -アスピリンまたはサリチル酸含有薬を服用中またはライ症候群発症リスクのある小児
 -長期療養施設に入所中の方
 -上記リスク患者を取り囲む人(医療従事者、上記患者の介護者や保護者、家族など)
 
フルミスト®点鼻液は、小児では不活化ワクチンに比較すると感染抑制効果が高い可能性が示唆されており、また痛くないワクチンとして小児の対するワクチンとして選択肢になります。

接種スケジュール作成のポイント

毎年流行するピークの時期は異なりますが、おおよそ12-3月に流行するため、10-11月頃の接種がおすすめです。毎年流行する型が異なるため、毎年接種することをお勧めします。

ワクチンの副反応

不活化ワクチン接種による一般的な副反応以外に、インフルエンザワクチンに特異的な副反応報告はありません。
 
フルミスト®点鼻液は弱毒化してあるとはいえ生ワクチンであることより、接種後3日目以降から、約30%が鼻炎症状を呈し、咽頭痛や頭痛、発熱などのインフルエンザ様症状が約10%前後報告されています。
 

ワクチンの禁忌

インフルエンザワクチンによるアナフィラキシーの既往のある方は禁忌です。また、インフルエンザワクチン接種後6か月以内にギラン・バレー症候群を発症したことがある方は、接種は禁忌ではありませんが、注意が必要です。主治医にご相談下さい。
 
その他、以前はワクチンの製造過程で卵白成分が使用されていたことから、卵アレルギーがあると接種できないといわれていましたが、2011年にACIP(米国予防接種諮問委員会)より、じんま疹が出る程度の卵アレルギーでは問題なく安全に接種が可能と明言されました1)。2016年には重症の卵アレルギーのある人もアレルギー対応ができる医療機関であれば接種可能と、適応が拡大されました2)。重症の卵アレルギーのある患者さんは念のため主治医にご相談ください。
 
フルミスト®点鼻液は、生ワクチンであることより、妊娠中の女性と免疫抑制剤使用者には禁忌となっています。またReye症候群があらわれる恐れがあることよりサリチル酸系医薬品、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸は併用注意。抗インフルエンザウイルス剤の使用はワクチンウイルスの増殖抑制に作用するため、期待される予防効果が発揮できない場合があるとして併用注意となります。

表1:年齢別の接種量と回数の違い
年齢接種量接種回数
生後6ヶ月〜3歳未満0.25ml2回 ※
3歳〜13歳未満0.5ml2回 ※
13歳以上0.5ml1回
※米国では、生後6か月-8歳未満の乳幼児は以下の3つの場合には2回接種が必要ですが、それ以外の乳幼児では、毎年1回の接種のみでよいとされています3)
・以前に接種したことがない。
・過去に1回しか接種していない。
・過去の接種歴が不明。

参考サイト

1)インフルエンザワクチンの推奨.  米国予防接種諮問委員会(ACIP). 
Prevention and Control of Influenza with Vaccines: Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP), 2011(英語)

2)卵アレルギーのひとのインフルエンザワクチンについて.   米国疾病管理予防センター(CDC).
Flu Vaccine and People with Egg Allergies(英語)

3)インフルエンザワクチン 米国疾病管理予防センター(CDC)
 Flu Vaccines are Important for Children
 
4)インフルエンザ(総合ページ) 厚生労働省. 

5)Cochrane Library
 健康な成人に対するインフルエンザ予防のためのワクチン
 高齢者におけるインフルエンザワクチンの予防効果
 健康な小児におけるインフルエンザワクチンの予防効果

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