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お知らせ

高齢者への肺炎球菌ワクチンの推奨が改定されました

  • 2020年01月18日掲載
  • ワクチン情報

これまでの経緯
 肺炎球菌ワクチンには2種類あります。23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)ニューモバックス®NPと、プレベナー®水性懸濁注です。
肺炎球菌には90種類以上の型があり、それぞれのワクチンに含まれる血清型が一部異なり、またワクチンのタイプ(結合型とポリサッカライド)が異なるため、その効果や対象者について議論されてきました。

 23価肺炎球菌ワクチン(PPSV23)は2014年10月から5年間限定で定期接種となり、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳および100歳になる人を対象に接種されてきました。そして、2019年度以降はさらに5年間の期限でとして、定期接種が継続されています 1)

 一方、肺炎球菌ワクチン(PCV13) は、2014年に65歳以上の成人に適応拡大、さらに2020年5月には高齢者のみならず、5歳以上の全年齢に適応が拡大されました。2014年に米国では65歳以上の成人に対するPPSV23, PCV13両方を定期接種とし、これらを連続接種することを推奨しましたが2)、日本呼吸器学会及び日本感染症学会は、PCV13-PPSV23連続接種に関する「考え方」を公表し、エビデンスが不十分であることからPCV13-PPSV23連続接種の推奨を全面的には受け入れるべきではないとしてきました3)
今回2019年6月に開催された米国の会議において、全ての65歳以上の成人へのPPSV23接種は推奨されましたが、PCV13-PPSV23の連続接種は推奨されませんでした4.5)
これを受けて、日本呼吸器学会及び日本感染症学会は、「考え方(第3版)」を公表しました 6)


新しい「接種が推奨されるひと」のまとめ
①PPSV23について
すべての65歳以上にPPSV23接種を引き続き推奨する。
②PCV13について
・すべての健常な65歳以上に、PCV13の推奨は行わない。
   基礎疾患を有する65歳以上の成人では、患者との共有意思決定に基づいて推奨する。
・ただし、髄液漏、人工内耳、免疫不全(HIV、無脾症、骨髄腫、固形臓器移植など)の患者には接種が必要である。
・高齢者施設の入所者も、本人と相談してPCV13を接種することを推奨する。


現在の「高齢者肺炎球菌ワクチン」についてのまとめ
① 定期接種(PPSV23)
a. PPSV23未接種で、2019〜2023年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳となるひとは、該当する年度にPPSV23の定期接種の対象となる。2019年度内は100歳以上の者も対象となる。
b. 60歳以上65歳未満で心臓、腎臓又は呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害を有する者及びヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害を有するひと。
② PPSV23接種後5年以上の間隔をおいてPPSV23を再接種することが可能である
③ PPSV23とPCV13の接種間隔は図1を参照ください。




2) Tomczyk S, Bennett NM, Stoecker C, Gierke R, Moore MR, Whitney CG, et al. Use of 13-valent pneumococcal conjugate vaccine and 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine among adults aged ≥65 years: recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP). MMWR 2014;63(37):822-5.