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お知らせ

被災地へ行く方へ

  • 2024年01月03日掲載
  • お知らせ

    これから援助などの目的で被災地に入る方に、ご自分の健康を守るためと、現地の流行を予防するために、ワクチンで予防できる疾患をご紹介します。

     

    1.破傷風

     破傷風菌は土壌にいる細菌で、皮膚の傷口から体の中に入り感染します。

     特に水害の際には、土壌中に生息する破傷風菌が水中に出てきやすいため、感染しやすい状況です。例えば、東日本大震災の際には、10名の方が感染しました。2004年のインドネシア大津波の時には、1か月に106人の発症が報告され、特に破傷風ワクチンの接種率が低い地域での感染の報告が多くありました。

     

     破傷風の予防にはワクチンが有効です。

    がれきや土の撤去作業に従事する方は、けがをしやすく、皮膚の傷から菌が体内に入りますので、被災地で作業する方は、破傷風ワクチンを接種してから被災地に入りましょう。

     もし現地でけがをしたら、水と消毒で傷をきれいにして、傷を汚れた水に浸さないようにしましょう。傷に土がついたり、汚れた水がかかってしまった場合は、可能な範囲できれいな水で傷口を洗い、救護所の看護師、医師に相談しましょう。破傷風は、けがをした後でもワクチン接種で発症を予防できますが、事前の接種がより確実です。


    <破傷風ワクチン>
    破傷風ワクチンは、1968年10月から小児の定期接種ワクチンとなりました。
    破傷風ワクチンには、二種混合・三種混合・四種混合ワクチン、そして破傷風トキソイドがあります。

    ① 1967年以前生まれの方は、定期接種での接種機会がなく、破傷風ワクチンの接種歴がありません。
      ⇒基礎免疫として破傷風トキソイド(または三種混合*)を3回接種しましょう(①②は1か月以上、②③は6か月以上あける)
    *三種混合は添付文書外使用になりますが、百日咳とジフテリアも予防できます。

    ② 小児期に三種混合ワクチン+11~12歳で二種混合ワクチンを接種した方
      ⇒小児期にすべて打ち終わっているか、母子手帳で確認しましょう。

      
      最後の接種から10年以上たっている場合は、10年に1回の追加接種が必要です。被災地に入る前に1回接種(二種混合・三種混合・破傷風トキソイドいずれでも可)しましょう。

    詳細はこれらのワクチンを扱っている医療施設等にご確認ください。

     

     

    2.麻しん(はしか)水痘(みずぼうそう)


     麻しんと水痘は「空気感染」をする病気で、同じ空間にいるだけで感染します。

    避難所などの集団生活、人の集まるところは流行しやすい環境です。

     
     過去に麻しん、水痘にかかっていない人で、それぞれ2回のワクチン接種が終わっていない人は、ワクチンを少なくとも1回接種してから行きましょう。

     


    3. その他、感染症予防のために、以下のことに留意されてください


    ・トイレの後と食事の前は、手洗いまたはアルコール手指消毒で手を清潔にしましょう。

    ・水分をこまめに摂って脱水を予防しましょう。

    ・咳エチケット、マスクをしましょう。

    ・体調が悪く、症状があるときは、被災地に入らないようにしましょう。

    ・体調が悪くなったら、早めに救護所の医師、看護師に相談しましょう。