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ワクチンと病気について

病気(VPD)について

ムンプス(おたふくかぜ)について

  • 2018.06.01

ムンプス(おたふくかぜ)とは

ムンプス(おたふくかぜ)は小学校低学年や30−40代が多く感染します。

感染方法は、咳やくしゃみなどの飛沫感染や接触感染で、感染してから約2週間の潜伏期間の後に耳下腺(じかせん)や顎下腺(がっかせん)などの唾液腺(だえきせん)の腫れや発熱で発症します。

合併症として、膵炎、感音性難聴(かんおんせいなんちょう)や髄膜炎(ずいまくえん)、腎炎、思春期以降では精巣炎や卵巣炎を起こします。

感音性難聴になってしまうと聴力の回復は難しく、その後の日常生活や社会生活にも影響が出てしまう重大な合併症です。

感染経路

飛沫感染・接触感染

潜伏期

16-18日

周囲に感染させうる期間

耳下腺腫脹前数日間-腫脹後5日間

感染力(R0)※1

4-7

学校保健安全法

第二種感染症(耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、 かつ全身状態が良好になるまで)

感染症法

5類感染症(小児科指定医療機関による定点観測)

※1 R0:基本再生産数:集団にいる全ての人間が感染症に罹る可能性をもった(感受性を有した)状態で、一人の感染者が何人に感染させうるか、感染力の強さを表します。つまり、数が多い方が感染力が強いということになります。
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主な症状は

 典型的には耳下腺や唾液腺の腫れ、痛み、発熱などの全身症状をきたします。しかし感染者の約1/3は臨床的にはっきりとした唾液腺の腫れがなく、無症候性感染や咳などの呼吸器症状のみのこともあります。

 一般的に予後は良好ですが、無菌性髄膜炎(1-10%)2)(0.7-1%)3)脳炎(0.02-0.03%)精巣炎(20-40%)2)、難聴(0.5-0.2%)4⁻6)などの合併症をひきおこすこともあります。

 また、妊娠初期に感染すると流産の原因になります。

 

診断方法は

 特徴的な症状、周囲の感染状況から医師が臨床診断します。

 ワクチン未接種者は血液検査で、ムンプス特異的IgM抗体が上昇することで診断が可能です。ワクチン接種歴があれば、ペア血清によるその抗体価の上昇を確認して診断します。

 

治療法は

有効な治療方法がないため、対症療法が中心となります。

 

予防法は

手洗いやうがい、咳エチケットなどによる飛沫・接触感染予防はある程度は有効ですが、完全ではないため、おたふくかぜワクチンを計2回接種し、免疫をつけておくことが重要です。

おたふくかぜワクチンについてはこちらを参照。


参考サイト

1)流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)2013年7月現在. 国立感染症研究所.

2)おたふくかぜワクチンに関するファクトシート.   国立感染症研究所.

3) A comparative study of the incidence of aseptic meningitis in symptomatic natural mumps patients and monovalent mumps vaccine recipients in Japan.
Vaccine. 2007 Mar 30;25(14):2742-7. E2pub 2006 Jan 31.

4)ムンプス難聴.  青柳 憲幸、児玉明彦、小池通夫他.  小児科 37, 1273-1279, 1996

5)ムンプスの中枢神経合併症について.  石丸啓郎他. 小児科診療 51, 1421-1427, 1988

6)2015-2016年にかけて発症したムンプス難聴の大規模全国調査

7)最新感染症ガイド R-Book 2015 p564-567 米国小児科学会