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ワクチンと病気について

ワクチン情報

小児肺炎球菌ワクチン

  • 2018.06.01
  • 定期接種
  • 不活化ワクチン
  • 小児
  • 無脾・脾摘
  • 腎不全・透析
  • 糖尿病

 

小児肺炎球菌ワクチン(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)について

 

商品名:プレベナー13®水性懸濁注 

予防できる病気

肺炎球菌感染症

ワクチンの種類

不活化ワクチン  

定期/任意

定期接種(2か月以上5歳未満の小児)

任意接種(5歳児、高齢者)

接種回数

・小児(2か月以上5歳未満)4回 

(※初回接種を7ヶ月までに開始できなかった場合は状況により回数が異なります)

・高齢者(65歳以上)1回 

接種量

1回0.5ml

接種間隔

小児

【接種開始が生後2か月-7か月に至るまでの場合(4回接種)】

①②③の間は 27 日以上(27-56日)、③④の間は 60日以上の間隔をあけて(12-15か月齢で)接種

【接種開始が生後7か月-12か月に至るまでの場合(3回接種)】

①②の間は 27日以上(27-56日)、②③の間は 60日以上の間隔をあけて(12か月齢で)接種

接種開始が12か月-5歳の誕生日に至るまでの場合(1回接種)】 

1回のみ

*5歳以上6歳未満は任意接種として可能

高齢者 1回のみ

(①:1回目、②:2回目、③:3回目)

費用

定期接種:無料

任意接種:1回 およそ9000-12000円(施設により異なる)

 

ワクチンの効果

 小児肺炎球菌ワクチン(PCV13)は、肺炎球菌の93種類の血清型のうち13種類の肺炎球菌による感染症の重症化を予防します。

 肺炎球菌感染症が重症化すると髄膜炎(ずいまくえん)や菌血症(きんけつしょう)などをひきおこし、これらを総称して侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)と呼びます。日本では小児に対する7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)の公費助成開始によって、小児のIPDが57%減少し、そのうち髄膜炎は61%減少しており¹、高い予防効果を認めています。肺炎については、2歳未満を対象にした米国の研究ではPCV7接種によって「すべての原因による肺炎」が30.3%減少したと報告されています²。また米国ではPCV7導入前後で2歳未満児の肺炎球菌性肺炎による入院が65%減少し、18-39歳の成人においても30%減少しています²。

 小児に対する肺炎球菌結合型ワクチン接種後のワクチン血清型によるIPDの予防効果は、幼児期のワクチン初回接種後少なくとも2-3年は持続すると報告されています³。また免疫原性データからは、他の結合型ワクチンと同様に長期にわたり予防効果が持続しうると考えられています。

 高齢者に対する効果としては、オランダの高齢者を対象とした研究⁴では、PCV13接種によりIPDが51.8%減少したと報告され、高い予防効果を認めています。また、「すべての肺炎球菌による市中肺炎」が30.6%、「ワクチン血清型の肺炎球菌による市中肺炎」が45.6%減少しています。しかし現時点ではわが国の高齢者を対象とした研究はなく、今後の報告が待たれます。

 なお、肺炎球菌結合型ワクチンは当初7種の肺炎球菌血清型に対応するPCV7が2010年にわが国に小児に対する任意接種ワクチンとして導入され、2013年4月から定期接種になり、同年11月よりさらに対応する血清型が13種に増えたPCV13に切り替わっています。このPCV13は2014年より高齢者にも接種できるようになりました(ただし、現時点では高齢者に対しては任意接種のみです)。

 

どんな人にお勧め?

 侵襲性肺炎球菌感染症はとくに乳幼児でリスクが高く、命に関わったり、後遺症を残す危険性があります。そのため健康なお子さんであっても、接種が可能となる2か月以上の赤ちゃんではワクチン接種をされることを強くお勧めします。

 

接種スケジュール作成のポイント 

 生後2か月からの標準的スケジュールでの接種が重要です。

 初回接種を2か月から7か月までに開始できなかった場合は次のとおりです。

接種開始年齢が7か月以上1歳未満の場合:初回免疫:27日間以上の間隔で2回、追加免疫:初回免疫終了後60日間以上の間隔をおいて1回

接種開始年齢が1歳以上2歳未満の場合:60日間以上の間隔で2回接種

接種開始年齢が2歳以上5歳未満:1回接種

 高齢者に対して、米国ではまずPCV13接種を行ない、接種後1年以上あけてPPSV23を接種することが推奨されています⁵。しかし、現時点ではPCV13の臨床効果を検証した研究はオランダからの一報⁴のみであり、PCV13との連続接種について国内でのコンセンサスは確立されていません(2017年10月時点)⁶。日本呼吸器学会と日本感染症学会の合同チームでは、今後の再評価を予定しています⁶。PCV13とPPSV23の接種間隔については、6か月-4年以内が適切と考えられています⁶。

 

ワクチンの副反応

 ワクチン接種による一般的な副反応以外に、PCV13に特異的な副反応報告はありません。

 

ワクチンの禁忌

 PCV13またはジフテリアトキソイドによる強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがある場合以外に禁忌はありません。



参考サイト

1)国立感染症研究所. 侵襲性インフルエンザ菌・肺炎球菌感染症(2014年の報告)


2)厚生労働省. 肺炎球菌コンジュゲートワクチン(小児用)作業チーム報告書.


3)厚生労働省. 肺炎球菌感染症(小児).


4)オランダの高齢者を対象としたPCV13の効果を検証した研究(英語)
  Bonton MJM, et al. Polysaccharide Conjugate Vaccine against Pneumococcal   
  Pneumonia in Adults. N Engl J Med 2015; 372:1114-1125


5)米国疾病管理予防センター(CDC) 肺炎球菌ワクチン.(英語)


6)日本呼吸器学会ワクチン検討WG委員会および日本感染症学会ワクチン委員会 合同委員会   

 ・65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第2版 2017-10-23)


 ・厚生労働省. 13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(成人用)に関するファクトシート.


 ・厚生労働省 肺炎球菌感染症(高齢者)


独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン


世界保健機関(WHO)肺炎球菌ワクチン:WHOポジションペーパー
 ・2008(英語、仏語)
 ・2012(英語、仏語)