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ワクチンと病気について

ワクチン情報

肺炎球菌ワクチン(13価)

  • 2021.05.17
  • 定期接種
  • 任意接種
  • 不活化ワクチン
  • 小児
  • 無脾・脾摘
  • 腎不全・透析
  • 糖尿病

 

肺炎球菌ワクチン(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)について

 

商品名:プレベナー13®水性懸濁注 

予防できる病気

肺炎球菌感染症

ワクチンの種類

不活化ワクチン  

定期/任意

定期接種(2か月以上5歳未満の小児)

任意接種(5歳以上の全年齢)

接種回数

・小児(2か月以上5歳未満)4回 

(※初回接種を7か月までに開始できなかった場合は状況により回数が異なります)

・5歳以上の全年齢:1回 

接種量

1回0.5ml

接種間隔

・小児(2か月以上5歳未満)

【接種開始が生後2か月-7か月に至るまでの場合(4回接種)】

①②③の間は 27 日以上(27-56日)、③④の間は 60日以上の間隔をあけて(12-15か月齢で)接種

【接種開始が生後7か月-12か月に至るまでの場合(3回接種)】

①②の間は 27日以上(27-56日)、②③の間は 60日以上の間隔をあけて(12か月齢以降で)接種
【接種開始が12か月-24か月に至るまでの場合(2回接種)】
①②の間は 60日以上の間隔をあけて接種

【接種開始が24か月-5歳の誕生日に至るまでの場合(1回接種)】 

1回接種のみ

・5歳以上の全年齢:1回

(①:1回目、②:2回目、③:3回目、④:4回目)

費用

定期接種:無料

任意接種:1回 およそ9000-12000円(施設により異なる)

 

ワクチンの効果

 肺炎球菌ワクチン(PCV13, 沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)は、肺炎球菌の97種類の血清型のうち13種類の肺炎球菌による感染症の重症化を予防します。

 肺炎球菌感染症が重症化すると髄膜炎(ずいまくえん)や菌血症(きんけつしょう)などをひきおこし、これらを総称して侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)と呼びます。日本では小児に対する7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)の公費助成開始によって、小児のIPDが57%減少し、そのうち髄膜炎は61%減少しており¹、高い予防効果を認めています。肺炎については、2歳未満を対象にした米国の研究ではPCV7接種によって「すべての原因による肺炎」が30.3%減少したと報告されています²。また米国ではPCV7導入前後で2歳未満児の肺炎球菌性肺炎による入院が65%減少し、18-39歳の成人においても30%減少しています²。

 小児に対する肺炎球菌結合型ワクチン接種後のワクチン血清型によるIPDの予防効果は、幼児期のワクチン初回接種後少なくとも2-3年は持続すると報告されています³。また免疫原性データからは、他の結合型ワクチンと同様に長期にわたり予防効果が持続しうると考えられています。

 高齢者に対する効果としては、オランダの高齢者を対象とした研究⁴では、PCV13接種によりIPDが51.8%減少したと報告され、高い予防効果を認めています。また、「すべての肺炎球菌による市中肺炎」が30.6%、「ワクチン血清型の肺炎球菌による市中肺炎」が45.6%減少しています。しかし現時点ではわが国の高齢者を対象とした研究はなく、今後の報告が待たれます。

 なお、日本において肺炎球菌結合型ワクチンは当初2010年に7種の肺炎球菌血清型に対応するPCV7が2010年にわが国に小児に対する任意接種ワクチンとして導入され、2013年4月から定期接種になり、同年11月よりさらに対応する血清型が13種に増えたPCV13に切り替わっています。このPCV13は2014年より65歳以上の成人にも接種できるようになりました。さらに、2020年5月からは、高齢者のみならず全年齢に適応が拡大され、全年齢の「肺炎球菌感染症に罹患するリスクが高い人」に接種が可能となりました。

 

どんな人にお勧め?

①乳幼児 
 侵襲性肺炎球菌感染症はとくに乳幼児でリスクが高く、命に関わったり、後遺症を残す危険性があります。そのため健康なお子さんであっても、接種が可能となる2か月以上の赤ちゃんではワクチン接種をされることを強くお勧めします。

②基礎疾患がある6歳〜64歳のひと

基礎疾患(先天性心疾患、慢性心疾患、慢性肺疾患、慢性腎疾患、慢性肝疾患、糖尿病、自己免疫性疾患、神経疾患、血液・ 腫瘍性疾患、染色体異常、早産低出生体重児、無脾症・脾低形成、脾摘後、臓器移植後、髄液漏、 人工内耳、原発性免疫不全症、造血幹細胞移植後など5)があるひとには、ご本人・保護者と医師との話し合い(共有意思決定)に基づいてワクチン接種をされることをお勧めします。

詳しくは「6歳から64歳までのハイリスク者に対する肺炎球菌ワクチン接種の考え方」(2021年3月17日). 日本呼吸器学会呼吸器ワクチン検討委員会/日本感染症学会ワクチン委員会/日本ワクチン学会・合同委員会. をご参照ください。

 

③基礎疾患がある65歳以上のひと、高齢者施設に入所されているひと

・ 基礎疾患(慢性的な心疾患、肺疾患、肝疾患、糖尿病、アルコール依存症、喫煙者など)がある65歳以上の成人では、ご本人と医師との話し合い(共有意思決定)に基づいてワクチン接種をされることをお勧めします6。とくに、髄液漏、人工内耳、免疫不全(HIV、無脾症、骨髄腫、固形臓器移植など)の患者さんには接種をお勧めします6。高齢者施設に入所されているひとも、ご本人と医師が相談して接種することをお勧めします6

 

接種スケジュール作成のポイント 

・生後2か月からの標準的スケジュールでの接種が重要です。

・初回接種を2か月から7か月までに開始できなかった場合は次のとおりです。

接種開始年齢が7か月以上1歳未満の場合(3回接種):初回免疫:27日間以上の間隔で2回、追加免疫:初回免疫終了後60日間以上の間隔をおいて1回

接種開始年齢が1歳以上2歳未満の場合(2回接種):60日間以上の間隔で2回接種

接種開始年齢が2歳以上5歳未満(1回接種):1回接種

・5歳以上の全年齢:1回接種

・高齢者に対する13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13、プレベナー13® )と23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23、ニューモバックス®)との連続接種について、日本呼吸器学会及び日本感染症学会は「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第3版 2019-10-30)」7を公表しています。この「考え方」では、PPSV23未接種者に対しては①まず定期接種としてPPSV23を接種を受けられるようにスケジュールを行い、②PPSV23未接種者がPPSV23とPCV13の両方の接種をする場合には①を勘案しつつPCV13→PPSV23の順番で接種し、PCV13接種後6か月-4年以内にPPSV23を接種することが適切と考えられています(ただし、この連続接種については海外のデータに基づいており、日本人を対象とした有効性、安全性の検討はなされていません)。

詳細はこちらをご参照ください。

 


ワクチンの副反応

 ワクチン接種による一般的な副反応以外に、PCV13に特異的な副反応報告はありません。

 

ワクチンの禁忌

 PCV13またはジフテリアトキソイドによる強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがある場合以外に禁忌はありません。



参考サイト

1)侵襲性インフルエンザ菌・肺炎球菌感染症(2014年の報告). 国立感染症研究所. 

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/a/h-influenzae/1150-idsc/iasr-topic/5045-tpc416-j.html


2)肺炎球菌コンジュゲートワクチン(小児用)作業チーム報告書. 厚生労働省. 

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000014wdd-att/2r98520000016rq2.pdf


3)肺炎球菌感染症(小児). 厚生労働省. 

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/pneumococcus/index.html


4)オランダの高齢者を対象としたPCV13の効果を検証した研究(英語)

Bonton MJM, et al. Polysaccharide Conjugate Vaccine against Pneumococcal Pneumonia in Adults. N Engl J Med 2015; 372:1114-1125

https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa1408544

 

5) 「6歳から64歳までのハイリスク者に対する肺炎球菌ワクチン接種の考え方」(2021年3月17日). 日本呼吸器学会呼吸器ワクチン検討委員会/日本感染症学会ワクチン委員会/日本ワクチン学会・合同委員会. 

http://www.jsvac.jp/pdfs/Pneumococcal_vaccine_20210317.pdf?fbclid=IwAR3tTs8jMksEF8xd7nY9jflV9Km7yhi7SbcgWnfvuAMVdV63BE1faiYwlAM


6) Use of 13-Valent Pneumococcal Conjugate Vaccine and 23-Valent Pneumococcal Polysaccharide Vaccine Among Adults Aged ≥65 Years: Updated Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices. 

MMWR Weekly / November 22, 2019 / 68(46);1069–1075. 

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/68/wr/mm6846a5.htm?fbclid=IwAR1JMEHEvGA_KmNW_pTa_pQDZqXLplUfnVtzQpjkSnBkfs1Ypho37_FMkF4#B1_down

 

7)65 歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第 3 版 2019-10-30). 日本呼吸器学会呼吸器ワクチン検討WG委員会/日本感染症学会ワクチン委員会・合同委員会. 

https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/o65haienV/o65haienV_191030.pdf


・13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(成人用)に関するファクトシート. 厚生労働省. 

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000093331.pdf


・肺炎球菌感染症(高齢者). 厚生労働省. 

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/haienkyukin/index_1.html


・沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン. 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構. 

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/631140EC1

 

・肺炎球菌ワクチン:WHOポジションペーパー. 世界保健機関(WHO)

 2008年(英語、仏語)

https://www.who.int/wer/2008/wer8342.pdf?ua=1

 2012年(英語、仏語)

https://www.who.int/wer/2012/wer8714.pdf?ua=1


肺炎球菌ワクチン.(英語)米国疾病管理予防センター(CDC) .

https://www.cdc.gov/vaccines/vpd/pneumo/hcp/index.html