イメージ

ワクチンと病気について

ワクチン情報

肺炎球菌ワクチン(23価)

  • 2018.06.01
  • 定期接種
  • 不活化ワクチン
  • 成人
  • 高齢者
  • 無脾・脾摘
  • 腎不全・透析
  • 糖尿病

肺炎球菌(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライド)ワクチンについて

商品名:ニューモバックス®NP

予防できる病気

肺炎球菌感染症

ワクチンの種類

不活化ワクチン

定期/任意

定期接種:これまでにこのワクチンを1回も接種したことがなく、以下①または②にあてはまる人は定期接種として1回接種できる

①平成30年度末までは、30年度内に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になるひと。(平成31年度以降は、65歳になる年度に定期接種として1回接種できる)

②60〜64歳で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限されているひと。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)で免疫機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能なひと。

任意接種:2歳以上で上記以外のひと

接種回数

1回

接種量

1回0.5mlを筋肉内または皮下に注射する

接種間隔

5年以上の間隔をあけて接種(任意接種)

費用

定期接種:1回 0〜5000円(自治体により異なる)

 ※市民税非課税世帯や生活保護受給者は接種費用免除の場合がある

任意接種:1回 約7500〜8500円(施設により異なる)

 

ワクチンの効果

 23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)は、肺炎球菌の93種の血清型のうち、23種類の感染を予防します。

 PPSV23接種の一番のメリットは肺炎球菌感染症(※別コンテンツにリンク)の重症化の予防です。肺炎球菌感染症が重症化して髄膜炎(ずいまくえん)や菌血症(きんけつしょう)などをひきおこす侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)を50-80%予防することができます¹。

 肺炎の予防効果については、国内外の40歳以上を対象とした研究では「すべての原因による肺炎」を13%予防(対象を日本人に限ると28%)したと報告されています(日本人対象の研究ではインフルエンザワクチンと併用)²。日本の高齢者を対象とした研究では、5年以内のワクチン接種によって「すべての肺炎球菌による市中肺炎」を27.4%、「ワクチン血清型の肺炎球菌による市中肺炎」を33.5%予防したと報告されています³。

 初回接種後の予防効果は3-5年で低下するとの報告もあり¹、わが国では初回接種後5年以上あければ2回目の接種(任意接種)をすることができます。しかし、2回目以降の効果についてはエビデンスがはっきりしておらず、さらなる報告が待たれます。

 

どんな人にお勧め?

・脾臓を摘出した患者さん:肺炎球菌による感染症の発症予防として保険適用されますが、より確実な予防のためには摘出の14日以上前までに接種を済ませておくことが望ましいです。

・脾機能不全(鎌状赤血球など)の患者さん

65歳以上の高齢者:平成30年度までは、65歳から5歳毎に初回のみ定期接種の対象となります。(平成31年度以降は、65歳になる年度に定期接種として1回接種できる)

以下の基礎疾患のある方:心臓や呼吸器の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病、慢性髄液漏など

・免疫抑制作用がある治療が予定されている患者さん:治療開始の14日以上前までに接種を済ませておくことが望ましいです。

 

接種スケジュール作成のポイント

 初回接種後、5年以上あければ2回目の接種をすることができますが、2回目以降の効果についてはエビデンスがはっきりしていません。

 
 米国では、高齢者に対してまず13価肺炎球菌結合型ワクチン(※PCV13のページにリンクを貼る)(PCV13)接種を行ない、接種後1年以上あけてPPSV23を接種することが推奨されています⁴。しかし、現時点ではPCV13の臨床効果を検証した研究はオランダからの一報のみであり、PCV13との連続接種について国内でのコンセンサスは確立されていません(2017年10月時点)⁵。日本呼吸器学会と日本感染症学会の合同チームでは、今後の再評価を予定しています⁵。PCV13とPPSV23の接種間隔については、6か月-4年以内が適切と考えられています⁵。

 

ワクチンの副反応

 ワクチン接種による一般的な副反応以外に、肺炎球菌ワクチンに特異的な副反応報告はありません。

 皮膚浅くに接種すると、接種後に皮膚のびらんや潰瘍が生じる報告がありますので、深めの皮下接種または筋注を推奨します。

 

ワクチンの禁忌

 2歳未満の人は禁忌です。そのほか、PPSV23による強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがある場合以外に禁忌はありません。

 


参考サイト
1)肺炎球菌ワクチン:WHOポジションペーパー2008(英語、仏語).  世界保健機関(WHO).


2)国内外の40歳以上を対象としたPPSV23の臨床試験をまとめた研究(英語)
Diao W, et al.Efficacy of 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine in preventing community-acquired pneumonia among immunocompetent adults: A systematic review and meta-analysis of randomized trials. Vaccine. 2016 Mar 18;34(13):1496-1503.


3)日本人高齢者を対象としたPPSV23の効果を検証した観察研究(英語)
Suzuki M, et al.
Serotype-specific effectiveness of 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine against pneumococcal pneumonia in adults aged 65 years or older: a multicentre, prospective, test-negative design study.
Lancet Infect Dis. 2017 Mar;17(3):313-321.


4)肺炎球菌ワクチン.(英語).  米国疾病管理予防センター(CDC).


5)日本呼吸器学会ワクチン検討WG委員会および日本感染症学会ワクチン委員会 合同委員会.

   ・65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第2版 2017-10-23).


 ・肺炎球菌感染症(高齢者).  厚生労働省.


 ・肺炎球菌ポリサッカライドワクチン(成人用)作業チーム報告書.  厚生労働省.


 ・13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(成人用)に関するファクトシート.  厚生労働省.


 ・肺炎球菌ワクチン.  独立行政法人 医薬品医療機器総合機構.