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ワクチンと病気について

渡航者のワクチン

サッカーのワールドカップロシア大会を観戦する方へ

  • 2018.06.24

W杯には世界中から多くの人々が集まります。また現地特有の事情もありますので、健康管理に注意して観戦を楽しみましょう。

 

1.麻しん

 近年、ヨーロッパでは、麻しん(はしか)が流行して問題になっています。2018年1月から3月に18000例の麻疹感染者が報告され、特にフランス、セルビア、ギリシャ、ウクライナで感染者が多くなっています。このうち、フランスとセルビアはワールドカップに出場する国ですので、サポーターがロシアに集まってきます。さらに出場国32カ国中28カ国で、今年になって麻疹が報告されていて、世界中で麻しんが流行しています。ワールドカップで麻疹に感染し、世界中に拡散するような事にならないために、世界中で注意喚起が呼びかけられています。

 日本から感染に行く方は、現地で感染して日本に持ち帰らないようにしましょう。
そのために「過去に麻しんに確実にかかった」または「確実に2回麻しんワクチンを打った(母子手帳などの記録が残っている)」方以外は、麻しん含有ワクチン(麻しんワクチン、または、MR(麻しん風しん混合)ワクチンを接種してから出国しましょう。

年齢別にみる過去の定期接種回数は こちらのページの「麻しん」 を参考にしてください。

 

2.飲食物に注意

 飲食物から感染する旅行者下痢症やA型肝炎に気を付けましょう。ロシアは衛生面でのインフラ整備などがまだ十分ではありません。

①   料理は中まで加熱したものを食べる

②   水はペットボトルに入ったミネラルウオーターを飲む。氷を入れない(氷は水道水で作るため)。

③   A型肝炎にはワクチンがあります。

  A型肝炎ワクチンについては、こちら を参考にしてください。

 

 

3.ダニ媒介性脳炎

 ロシアの風土病に、マダニに刺されて感染して脳炎を起こす「ダニ媒介性脳炎」があります。感染すると、3割近くが亡くなる病気です。日本でも近年、北海道のダニに刺されて感染したという報告がありました。

 ロシアでは全土で春から夏にかけて流行します。郊外の野山や公園などのダニの生息するところに行く場合は、皮膚を露出しないように長袖の服を着ましょう。虫よけ剤(日本で購入する場合は、主成分DEET30%を選びましょう)を皮膚に塗ったり、服の上からスプレーしたりして、予防しましょう。

 ダニ媒介脳炎の予防ワクチンもあります。ご希望の方はトラベルクリニックに相談しましょう。

 

 現地に長期滞在する場合は、上記のワクチンに加えて、B型肝炎、破傷風、狂犬病などのワクチンも必要になります。トラベルクリニック等に相談しましょう。

 

 今回のワールドカップの後は、2019年にラグビーワールドカップ、2020年に東京五輪も開催されます。海外から多くの方が観戦に来日されるので、日本国内でも十分な感染対策が必要になります。(この対策関連記事は、今後掲載予定です)

 

 十分な健康管理をして、観戦と旅行を楽しみましょう。

 


<渡航者向けサイト>は、こちらのリンク集の中の【海外渡航(海外旅行・出張・赴任】を参照してください。