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ワクチンと病気について

ワクチン情報

肺炎球菌ワクチン(23価)

  • 2021.05.17
  • 定期接種
  • 不活化ワクチン
  • 成人
  • 高齢者
  • 無脾・脾摘
  • 腎不全・透析
  • 糖尿病

肺炎球菌(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライド)ワクチンについて

商品名:ニューモバックス®NP

予防できる病気

肺炎球菌感染症

ワクチンの種類

不活化ワクチン

定期/任意

定期接種:これまでにこのワクチンを1回も接種したことがなく、以下①②にあてはまる人は定期接種として1回接種できる

①2023年度末までは、該当する年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になるひと。

②60〜64歳で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限されているひと。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)で免疫機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能なひと。

任意接種:2歳以上で上記以外のひと

接種回数

1回

接種量

1回0.5mlを筋肉内または皮下に注射する

接種間隔

5年以上の間隔をあけて接種(任意接種)

費用

定期接種:1回 0〜5000円(自治体により異なる)

 ※市民税非課税世帯や生活保護受給者は接種費用免除の場合がある

任意接種:1回 約7500〜8500円(施設により異なる)

 

ワクチンの効果

 23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)は、肺炎球菌の97種類の血清型のうち、23種類の感染を予防します。

 PPSV23接種の一番のメリットは肺炎球菌感染症の重症化の予防です。肺炎球菌感染症が重症化して髄膜炎(ずいまくえん)や菌血症(きんけつしょう)などをひきおこす侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)を50-80%予防することができます¹。

 肺炎の予防効果については、国内外の40歳以上を対象とした研究では「すべての原因による肺炎」を13%予防(対象を日本人に限ると28%)したと報告されています(日本人対象の研究ではインフルエンザワクチンと併用)²。日本の高齢者を対象とした研究では、5年以内のワクチン接種によって「すべての肺炎球菌による市中肺炎」を27.4%、「ワクチン血清型の肺炎球菌による市中肺炎」を33.5%予防したと報告されています³。

 初回接種後の予防効果は3-5年で低下するとの報告もあり¹、わが国では初回接種後5年以上あければ2回目の接種(任意接種)をすることができます。しかし、2回目以降の効果についてはエビデンスがはっきりしておらず、さらなる報告が待たれます。

 

どんな人にお勧め?


・脾臓を摘出した患者さん:肺炎球菌による感染症の発症予防として保険適用されますが、より確実な予防のためには摘出の14日以上前までに接種を済ませておくことが望ましいです。

・脾機能不全(鎌状赤血球など)の患者さん

65歳以上の高齢者:2023年度までは、65歳から5歳毎に初回のみ定期接種の対象となります。(2023年度以降は、65歳になる年度に定期接種として1回接種できる見込み)

の基礎疾患のある方:心臓や呼吸器の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病、慢性髄液漏など

・免疫抑制作用がある治療が予定されている患者さん:治療開始の14日以上前までに接種を済ませておくことが望ましいです。

 

接種スケジュール作成のポイント

 初回接種後、5年以上あければ2回目の接種をすることができますが、2回目以降の効果についてはエビデンスがはっきりしていません。

・ 高齢者に対する13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13、プレベナー13®)と23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23、ニューモバックス®)との連続接種について、日本呼吸器学会及び日本感染症学会は「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第3版 2019-10-30)」4を公表しています。この「考え方」では、PPSV23未接種者に対しては①まず定期接種としてPPSV23を接種を受けられるようにスケジュールを行い、②PPSV23未接種者がPPSV23とPCV13の両方の接種をする場合には①を勘案しつつPCV13→PPSV23の順番で接種し、PCV13接種後6か月-4年以内にPPSV23を接種することが適切と考えられています(ただし、この連続接種については海外のデータに基づいており、日本人を対象とした有効性、安全性の検討はなされていません)。

詳細はこちらをご参照ください。 

 

 

ワクチンの副反応

 ワクチン接種による一般的な副反応以外に、肺炎球菌ワクチンに特異的な副反応報告はありません。

 皮膚浅くに接種すると、接種後に皮膚のびらんや潰瘍が生じる報告がありますので、深めの皮下接種または筋肉内注射を推奨します。

 

ワクチンの禁忌

 2歳未満の人は禁忌です。そのほか、PPSV23による強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがある場合以外に禁忌はありません。



参考サイト

1)肺炎球菌ワクチン:WHOポジションペーパー2008(英語、仏語).  世界保健機関(WHO).

https://www.who.int/wer/2008/wer8342.pdf?ua=1

 

2)国内外の40歳以上を対象としたPPSV23の臨床試験をまとめた研究(英語)

Diao W, et al.Efficacy of 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine in preventing community-acquired pneumonia among immunocompetent adults: A systematic review and meta-analysis of randomized trials. Vaccine. 2016 Mar 18;34(13):1496-1503.

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0264410X16001651?via=ihub

 

3)日本人高齢者を対象としたPPSV23の効果を検証した観察研究(英語)

Suzuki M, et al.

Serotype-specific effectiveness of 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine against pneumococcal pneumonia in adults aged 65 years or older: a multicentre, prospective, test-negative design study.

Lancet Infect Dis. 2017 Mar;17(3):313-321.

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S147330991730049X?via=ihub


4)65 歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第 3 版 2019-10-30). 日本呼吸器学会ワクチン検討WG委員会および日本感染症学会ワクチン委員会 合同委員会.

https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/o65haienV/o65haienV_191030.pdf

 

・肺炎球菌ワクチン.(英語).  米国疾病管理予防センター(CDC).

https://www.cdc.gov/vaccines/vpd/pneumo/hcp/index.html

 

・肺炎球菌感染症(高齢者).  厚生労働省. 

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/haienkyukin/index_1.html


・肺炎球菌ポリサッカライドワクチン(成人用)作業チーム報告書.  厚生労働省.

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000014wdd-att/2r98520000016rq9.pdf


・13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(成人用)に関するファクトシート.  厚生労働省.

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000093331.pdf


・肺炎球菌ワクチン. 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構. 

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/6311400A1