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水ぼうそう(水痘)について
- 2023-05-07
水ぼうそう(水痘)とは
水ぼうそうは水痘・帯状疱疹(すいとう・たいじょうほうしん)ウイルスの感染によって全身の発疹や発熱、肺炎や細菌感染の合併、髄膜炎(ずいまくえん)や脳炎など様々な症状をおこします。大人に感染すると重症化しやすく、髄膜炎や脳炎などを起こした場合、約20%で死亡したり重い後遺症を遺すことがあります1)。妊娠初期に水ぼうそうに感染すると、生まれてくる赤ちゃんは先天性水痘症候群という重症な病気になることがあります。感染力が強いウイルスで、空気感染します。同じ部屋にいるだけでも感染することもあります。
過去に水ぼうそうや帯状疱疹などにかかったことがある人は病気が治ってもウイルスが潜伏しており、成人や高齢者になって免疫が低下した時に帯状疱疹を発症する危険性があります。
日本では2014年に小児水痘ワクチンが定期接種化されてから、水ぼうそうになる子どもたちが激減しました。5歳未満の報告数が顕著に減少し、水ぼうそうになる子どもたちのうち5歳未満の割合は2000年〜2011年が77%だったことに比較し、2020年は34%に減少しました。一方で5-9歳が半数を占めるようになってきました2)
過去に水ぼうそうや帯状疱疹などにかかったことがある人は病気が治ってもウイルスが潜伏しており、成人や高齢者になって免疫が低下した時に帯状疱疹を発症する危険性があります。
日本では2014年に小児水痘ワクチンが定期接種化されてから、水ぼうそうになる子どもたちが激減しました。5歳未満の報告数が顕著に減少し、水ぼうそうになる子どもたちのうち5歳未満の割合は2000年〜2011年が77%だったことに比較し、2020年は34%に減少しました。一方で5-9歳が半数を占めるようになってきました2)
感染経路 | 空気感染・接触感染 |
潜伏期 | 約14-16日 |
周囲に感染させうる期間 | 皮疹出現から全ての皮疹が痂皮(かさぶた)化するまで |
感染力(R0)※1 | 8-10 |
学校保健安全法 | 第ニ種(出席停止期間:全ての発しんがかさぶたになるまで) |
感染症法 | 第5類(小児科定点医療機関が報告(次の月曜日に届出)) |
※1 R0:基本再生産数:集団にいる全ての人間が感染症に罹る可能性をもった(感受性を有した)状態で、一人の感染者が何人に感染させうるか、感染力の強さを表します。つまり、数が多い方が感染力が強いということになります。
主な症状は
初めての感染では、発熱とかゆみのある水疱が全身性に広がります。熱はない場合もあります。丘疹(盛り上がった皮疹)から始まり、水疱になって、痂皮(かさぶた)になって治っていきますが、水ぼうそうにかかっている間はこの丘疹、水疱、痂皮が混在します。
重症化すると敗血症、肺炎、脳炎などの中枢神経感染症などをおこし、死亡することもあります。また二次性皮膚感染症のうち、A群溶連菌感染症は死亡リスクが高いです。
過去に水ぼうそう(水痘)や帯状疱疹などにかかったことがある人は病気が治ってもウイルスが潜伏しており、成人や高齢者になって免疫が低下した時に帯状疱疹を発症する危険性があります。帯状疱疹後神経痛は重症な帯状疱疹になった後に神経の痛みが残る後遺症で、なかなか治りにくいことが知られています。
妊娠20週までに妊婦が水ぼうそうにかかると生まれてくる赤ちゃんの約2%が先天性水痘症候群となり、四肢低形成(手足の形成が不良)、脈絡網膜炎(目の膜の炎症)、小頭症発達障害などの症状をきたします。
また妊娠中は重症化しやすく、出産5日前から出産後2日までに妊婦が感染すると赤ちゃんも重症な水痘を発症しやすくなります。致死率は年齢に比して急激に増加します。
重症化すると敗血症、肺炎、脳炎などの中枢神経感染症などをおこし、死亡することもあります。また二次性皮膚感染症のうち、A群溶連菌感染症は死亡リスクが高いです。
過去に水ぼうそう(水痘)や帯状疱疹などにかかったことがある人は病気が治ってもウイルスが潜伏しており、成人や高齢者になって免疫が低下した時に帯状疱疹を発症する危険性があります。帯状疱疹後神経痛は重症な帯状疱疹になった後に神経の痛みが残る後遺症で、なかなか治りにくいことが知られています。
妊娠20週までに妊婦が水ぼうそうにかかると生まれてくる赤ちゃんの約2%が先天性水痘症候群となり、四肢低形成(手足の形成が不良)、脈絡網膜炎(目の膜の炎症)、小頭症発達障害などの症状をきたします。
また妊娠中は重症化しやすく、出産5日前から出産後2日までに妊婦が感染すると赤ちゃんも重症な水痘を発症しやすくなります。致死率は年齢に比して急激に増加します。
診断方法は
症状と臨床経過から医師が臨床診断します。
水痘を検査で診断することは、臨床的に必要になることはほとんどありません。
検査には、水疱ぬぐい液や唾液等のPCR検査、血液検査で急性期と回復期の水痘IgG抗体の有意な上昇(ペア血清)があります。
水痘を検査で診断することは、臨床的に必要になることはほとんどありません。
検査には、水疱ぬぐい液や唾液等のPCR検査、血液検査で急性期と回復期の水痘IgG抗体の有意な上昇(ペア血清)があります。
治療法は
水疱出現後24時間以内の抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル)の投与は健康な小児では症状を軽症化しますが、必ずしも必要ありません。
感染の程度や重症化のリスクをふまえて治療を検討します。
感染の程度や重症化のリスクをふまえて治療を検討します。
予防法は
参考文献・サイト
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